無念?バンドをあきらめ、社会人をめざす!

大学4年生となり、「就職」「社会人」という局面を迎えて、バンド活動から退くことを決めた。

ただバンドにストレスを感じていた僕は、そこから逃れたい気持ちの方が大きかった。
そして、その理由づけとして「就職活動」を体面上としていた。

はっきりとバンドを辞める理由を言えなかったのは、ただ自分のエゴを守りたいだけだったのかもしれない。

実際バンドを辞めてから夏くらいまではアルバイトに没頭していたし、それがとても楽しかった。

大学生活最後の夏休みということもあり、大いに遊びまくった。

目次

バンドを辞めて就職活動に入る

就職活動は9月の入ってからようやく始めた記憶がある。

ただ、
「具体的にどんな業種、職種に就きたいか?」
ということが全く明確になっていないので、合同説明会に参加して色んなブースをただ回るだけ。

そして
「就職しよう!」
「就職したい!」
という意欲が希薄なため、どの企業の話を聞いても魅力を感じなかった。

だけど
「来年の4月からは会社で働くんだろうな。」
というぼんやりとしたイメージはあったから、就職活動は続けた。

この会社なら頑張れる!

そんな就職活動のなかでも、
「この仕事は面白そうだ!」
と思える企業が2つくらいでてきた。

2社とも地元をベースとした企業だった。

長男で一人っ子の僕は、何故か
「親元を離れてはいけない。」
と思っていた。

だって、遠方で働くことになったら将来、両親の面倒が見れなくなるから。

しかし、親としてはそんなことは全く気にしていなっただろう。

今、親になってそう思う。

内定通知をゲット!したけれど・・

そんな勝手な思い込みから、地元の企業、しかも優良な中小企業を目指していた。

何月だったかは忘れてしまったけど、結局その2つの企業からは不採用の通知が来た。

多分、年末くらいじゃないかな。

結構この結果には落胆しながらも、就職活動は続けた。

そしてようやく、こんな僕にも内定を出してくれた企業があった。

ただ、その企業は入社試験は受けたものの、いまひとつ魅力を感じていなかった。

だから、結局その内定は辞退した。

そして時期は、すでに2月くらいになっていたと思う。

もうこの頃になると、就職活動はとっくに終了する時期だ。

もう募集を呼びかける企業もほとんどない。

「就職浪人も考えなくてはいけないのか?」

そんなことも頭によぎるようになった。

バンドメンバーとの再会

そんなある日、バンドメンバーと再会することになった。
僕が在籍していた頃もトリオ編成だったけど、いまでも3人で頑張っていた。

再会というと大げさだけど、久しぶりに新しいドラマー以外の3人で会って飲もうということだ。

もうとっくにバンドのストレスからも解放されて、メンバーたちとのわだかまりも消えていた。
いい友人という関係にも戻っていたから、楽しみだった。

いろいろ話をして、バンドの現状も聞いた。
いまひとつ、バンドアンサンブルに納得できていないようだった。

新しいドラマーのビート感が、フィットしていないようだった。

そのドラマーは、僕も見たことがあったけど、実に堅実で正確なビートを刻み、ツブの揃ったフィルを叩く素晴らしいドラマーだ。

その堅実性が彼らとはフィットしないのかな?
と思った。

どちらかといえば、二人は荒々しいノリのタイプだから。

僕の現状も話をしながら、
「お互い頑張ろう!」
ということで別れた。

ただ最後に、
「戻りたくなったらいつでも言えよ!」
と付け加えてくれた。

友情に厚く感謝をしながら、残りがない就職活動に専念した。

就職ラストチャンスがやってきた!

季節は春が近くづいていた。
大学の就職課では、就職未決定の学生がリストアップされていたようだ。

呼び出しされた僕は、就職課でカウンセリングを受けた。

内容はあまり覚えていないけど、
「就職するか、就職浪人するか。」
の選択だったと思う。

就職課には、まだ募集をしている企業の情報があり、それらを紹介された。
そして、僕のようなタイプ(専攻科目の成績、性格)でも受け入れたいという企業を紹介された。

地元に中堅企業でメーカー系だった。

ただ職種が事務系だった。

その頃には営業系を希望していたので、それは断り、もうひとつ紹介された企業に最後を賭けることにした。

リフレインするメンバーの言葉

最後の入社試験に賭けようと思いながら、どこか気持ちはまたバンドの方に傾きかけていた。

元々、メジャーバンドを目指していたわけだ。

以前は、
「なぜ大学を卒業したら就職しなければいけないのだろう?」
「なぜやりたいことを諦めて就職しなければならないのだろう?」
そんな疑問を持っていた。

そして、そんな気持ちがまた再燃し始めてきた。

久しぶりに再会したバンドメンバーの言葉、
「戻りたくなったらいつでも言えよ!」

この言葉が頭にリフレインするようになってきた。

そして、
「今度の入社試験がダメだったら、バンドに戻ろう!」
と心に決めてしまった。

入社試験の結果・・・

最後を賭けたその企業の入社試験の結果はめでたく「不採用」だった。

その結果を知って、気持ちはホッとした。

「また夢に向かって前進できるんだ!」
そう思ったから。

メンバーたちにその結果と僕の気持ちを伝えると、大喜びしてくれた。

怒りまくる両親をなんとか説得して、無事バンドに復帰することになった。

なんとも不埒な自分の性格を恨みながら、無駄な一年を過ごしたと思いながらも気持ちは満足だった。

バンドに復活してメンバーと一緒に音を出していると、
「バンドってこんなに楽しかったっけ?!」
と思わずにはいられなかった。

楽しいリハとライブを続けることに、この上のない幸せを感じる日々を過ごしていた。
本当に充実した毎日を過ごしていた。

そしてその1年後、とんでもないチャンスがやって来たのだ!

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